不思議な生態 習性

スズメはどこで寝るのか?夜のねぐらと知られざる習性を徹底解説

スズメは身近に見かけても夜にどこで眠っているか考えたことはありますか?実はスズメは人間のすぐそばに住みながらも人に懐くことがほとんどなく、その生態は意外と知られていません。

本記事では、スズメが夜に寝る場所やその理由、集団で眠る「ねぐら入り」の行動、季節による変化、夜間の過ごし方などをご紹介します。

木の枝や藪から建物の隙間まで、スズメのねぐらの秘密に迫り、思わず驚いてしまうエピソードや具体例も交えてお届けします。

スズメは夜どこで寝ているの?その場所は意外と身近

「スズメは夜、巣に戻って寝ているの? それとも電線の上?」と疑問に思ったことがあるかもしれません。

実際のところ、スズメは夜になると安全で過ごしやすいねぐらに移動し、そこで眠ります。その場所は意外にも私たちの身近にあり、普段見落としているだけなのです。

典型的なスズメのねぐらとして、まず挙げられるのが木の茂みです。

日没が近づくと、スズメたちは街路樹や公園の木、竹やぶなどに次々と集まってきます。

例えば都会でも、大通り沿いの街路樹(イチョウなど)がスズメのねぐらになっているケースがあります。

一見騒がしく車通りの多い場所でも、スズメにとって居心地の良い木であればねぐらとして利用するのです。

ほかにスズメのねぐらとしてよく使われているのが、人工物の隙間です。

スズメは人家の近くで暮らす鳥だけに、建物の構造を上手に利用します。瓦屋根の下の隙間屋根の軒下、雨どい周辺などはスズメにとって格好の隠れ場所です。

屋根瓦の隙間から出入りするスズメを見かけたことがある人もいるのではないでしょうか。

こうした場所は雨風が当たりにくく地上の捕食者にも襲われにくいため、スズメのお気に入りスポットになっています。

なぜここで寝るの?スズメが寝場所に選ぶ理由

スズメが寝床として選ぶ場所にはちゃんと理由があります。

小さな体で夜を乗り切るために、少しでも安全で快適な環境を求めているのです。主なポイントを見てみましょう。

  • 雨風・寒さを防げること:スズメは雨ざらしになったり夜露に濡れたりしない場所を好みます。私たち人間もそうですよね。羽毛は水をはじきますが、ずぶ濡れになって体温を奪われるのは致命的です。また風通しが強い場所も体温低下に繋がります。
  • 外敵から身を守る:夜の野鳥にとって捕食者の脅威は大きな問題です。スズメの場合、ヘビやネコ、イタチ類、フクロウなどが天敵となりえます。そこで、地上の捕食者が簡単には近づけない高所や、入り組んだ茂みの中などを選びます。たとえばネコは木に登ることもできますが、枝葉が密集した薮の奥深くまでは入りにくいでしょう。人家の軒下の小さな隙間などもネコや大型の鳥が侵入できないため安全です。
  • 足場の安定:鳥が枝に止まって寝ても落ちないのは不思議ですよね。これは鳥の足の構造によるものです。鳥は足の後ろにある腱が枝をつかむと自動的にロックされる仕組みになっており、体を沈めると指が枝をしっかり掴んだまま固定されます。スズメも例外ではなく、細い枝でも体を丸めて安定して眠ることができます。軒下の隙間など平らに近い場所や、V字型に枝分かれした箇所などは、安心して体を預けられるベッドのような場所と言えるでしょう。
  • 暖かさと快適さ:寒い夜には少しでも暖を取りたいもの。スズメは冬になると羽毛をふくらませて体をまんまるの「もふもふ」状態にし、羽毛の間に空気をためて自分の体温で温めます。いわば自前のダウンジャケットです。それに加えて、スズメたちは互いに体を寄せ合って暖を取ることもあります。集団で同じ木にとまれば、密集した仲間同士でわずかですが体温を分け合い、冷たい風を防ぐことができます。

以上のように、スズメが寝場所に求める条件は「濡れない・寒くない」「襲われにくい」「安心してとまれる」の3点に集約されます。あなたの家の周りでも、この条件を満たすような場所を探せば、スズメの隠れた寝床が見つかるかもしれません。

スズメは集団で眠る?ねぐら入り行動とは

夕方になると、空を飛んでいたスズメたちが急に集まり出し、「チュンチュンチュン…」とにぎやかに鳴き交わす場面に遭遇したことはありませんか?それはスズメの「ねぐら入り」と呼ばれる行動です。

スズメのねぐら入りは日没の少し前から始まります。まず、あちこちから集まったスズメがねぐら近くの電線や枝にいったん集結します。

日没が近づくと、彼らは一斉にねぐらとなる木の中へと潜り込んでいきます。

どんなに曇っていても、ほぼ正確に日没時間に合わせて行動するのには驚かされます。だいたい太陽が沈む10~20分前からスタンバイを始め、日没とともに「おやすみ」の場所へぞろぞろと入っていくのです。

興味深いのは、この集団ねぐらの規模です。集まる個体数は場所や時期によって様々で、数十羽程度の小さな群れから、時に数千羽に及ぶ大規模な群れまで観察されています。

一般的には数百羽規模の集団が多いようですが、まれに秋から冬にかけてヨシ原(葦原)や竹林に数千羽ものスズメがねぐら入りし、巨大な塊になって眠ることもあります。

スズメはなぜ群れて寝るのか?

実はこれにはメリットと理由があります。一つは前述した暖を取る効果

多数が集まればお互いの体温で周囲の空気が少し暖かくなりますし、密集することで風も当たりにくくなります。

もう一つは安全の確保です。

数が多ければ、それだけ見張りの目も増えます。夜中に外敵が接近した際、いち早く気づいた個体が騒げば周囲も目を覚まし逃げることができます。

いわば「集団で泊まることで泥棒避けのセンサーを増やしている」ようなものです。

また、大群で眠れば捕食者がどの個体を狙っていいか迷わせる効果や、群れの外側の個体が襲われても内側の個体が生き延びる確率が上がるといった数の利もあります。

スズメが集団ねぐらをつくるのは、決して偶然ではなく生存戦略の一つと考えられます。

もっとも、常に全てのスズメが集団で眠るわけではありません。後述するように繁殖期など状況次第では単独や少数で眠る場合もあります。また、集団ねぐらの中にも「特等席」をめぐる競争があるとも言われます。

枝ぶりの良い暖かい場所は人気が高く、早めに潜り込んだ者勝ち。

遅れてきた個体や弱い個体は、ねぐらの外れや時には電線の上などで夜を明かす羽目になることもあるようです。

こうしたドラマも含め、スズメのねぐら入り行動は観察しているとなかなか奥が深いものです。

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