
屋台や牡蠣小屋で「焼き牡蠣がしょっぱすぎる!」と感じたことはありませんか。
海水を抱いた殻、カキ自身の体液、そして加熱で起きる濃縮。
この三つが重なると、塩味は一気につよくなります。
今回は「しょっぱさの正体」を、台所で役立つコツと一緒にほどきます。
牡蠣の殻の中には海水がある
殻を開けると出てくる透明な液体、あれは殻汁(かくじる)という液体です。
身のうま味も溶けていますが海水由来の塩分もそのまま残っています。
焼くと水分が蒸発して、残った殻汁の塩分濃度が上がります。
とくに「深い殻の面を上にして焼く」と、汁が逃げないぶん塩味が濃く感じやすいのです。
とはいえこれが焼牡蠣の推奨の焼き方でもあります。
カキの体液は海水に近い
カキは海の塩分に体内環境を合わせる生き物です。
体液にはナトリウム(塩の主成分)だけでなく、カリウムやマグネシウムなどの海由来ミネラルも多く含まれます。
これらは舌に塩味+わずかな金属っぽいニュアンスを与え、塩辛さを感じさせやすくします。
面白いのは、河口に近い養殖海域や雨が多い季節だと海水の塩分が下がり、体液の塩分もややマイルドになりやすいこと。
牡蠣は産地や季節で“しょっぱさ”が変わるのです。
加熱で“濃縮”が起きる
火が入るとタンパク質が固まって水を押し出します(ドリップ)。
同時に水分は蒸発し、塩分やうま味(アミノ酸)はその場に残ります。
つまり塩も旨みも濃くなるのが焼きという調理法の宿命です。
生食より焼きでしょっぱく感じやすいのは、この濃縮効果が大きいからです。
私は初めて殻付きで強火直焼きしたとき牡蠣のあまりのしょっぱさに驚きました。醤油は全く必要ありませんでした。
真牡蠣と岩牡蠣で、塩の出方も違う
冬が旬のマガキ(真牡蠣)は身が繊細で殻汁の比率が高めです。
一方、夏のイワガキ(岩牡蠣)は身が厚く水分も豊富です。
同じ焼き方でも真牡蠣は汁の濃縮で塩味が先行しやすく、岩牡蠣はうま味とミルキーさでバランスがとれやすい印象です(もちろん個体差あり)
家庭で牡蠣をしょっぱくしないコツ
ここからは台所目線。難しいテクは不要です。
- 殻外側をよく洗う:焦げた殻の粉や付着した海水を落とします。
- 最初の殻汁を軽く逃がす:カップ面を少し傾けて一度だけ汁を落とし、日本酒や水をひとたらしして再開。塩味を逃がします。
- 仕上げの酸と油で味付け:ここは好みの問題ですが、レモンやバターを使うと塩味が和らぎます。
まとめ
焼き牡蠣の塩辛さは、殻の海水(殻汁)、カキの体液(海水に近いミネラル組成)、加熱濃縮の三つが重なって生まれます。
あんなにおいしく生まれてきてくれたので塩味を対策しながら牡蠣を楽しみたいですね。