飲み込んでからが本番!?反芻で二度噛み
ラクダの食事システムは一味違います。実は飲み込んだ後にも秘密があるのです。
ご存知の方もいるかもしれませんが、ラクダはウシやヒツジと同じ反芻動物です。
反芻動物とは、一度飲み込んだ食べ物を後でもう一度口に戻して噛み直す生き物のことです。
ラクダの場合、棘ごと飲み込まれたサボテンも胃の中で少し柔らかくなってから再び口へ逆送されます。
これはいわば「第2ラウンドの咀嚼」で、最初のラウンドで粉砕しきれなかった棘や繊維を念入りにすり潰す作業です。
こうして二度にわたる咀嚼を経ることで、どんなに手ごわい棘でも完全に砕かれてしまいます。
胃は三つから四つの部屋に分かれており(ウシ科の動物と少し構造は異なりますが機能的には似ています)、順番に食べ物を発酵・分解していく仕組みです。
この多段階の消化プロセスでは、棘のような異物も徐々に柔らかく分解されていきます。
最終的には棘だったものもフニャフニャになり、ラクダの栄養となって排出される頃にはすっかり形が分からなくなっているでしょう。
反芻による再咀嚼と強力な消化システムのおかげで、ラクダは「食べられない植物を食べる」裏技を手に入れたとも言えます。
他の動物なら尻込みするトゲトゲ植物でも、ラクダにとってはゆっくり時間をかければ大丈夫なのです。
最後に
こうして見てくると、ラクダが棘だらけの植物を食べられるのは決して無茶をしているわけではなく、長い進化の中で獲得した抜群の装備と戦略によるものだということがわかります。
砂漠という過酷な環境で生き延びるために、ラクダは「痛いの我慢大会」をしているのではなく、痛くならない工夫を全身に凝らしてきたのですね。
その逞しさと巧妙さには驚かされるばかりです。