
庭仕事の途中で彼岸花(ヒガンバナ)に手が当たり、「しまった、毒があるんだっけ?」とヒヤッとしたこと、ありませんか。
結論から言えば、素手で“ちょっと触った程度”なら大丈夫です。
ここでは、なぜ触って平気なのか/どこが危険なのか/うっかり口に入れた時の症状と応急処置を、むずかしい言葉をその場で短く解説しながら整理します。
触るだけなら大丈夫な理由
彼岸花の毒は主にアルカロイドとよばれるものです。
アルカロイドとは「植物が作る苦味の強い化学成分で、神経や消化器にはたらくもの」の総称です。
代表はリコリン(強い吐き気を起こすタイプ)などです。
これらは経口摂取で効果を発揮する毒であるため、健康な皮膚を短時間触れた程度では影響はりません。
どこに毒がある?球根が一番濃い、葉や茎にも少量
彼岸花は全草に毒を含みますが、とくに地下の球根(鱗茎:タマネギのように重なった貯蔵器官)にアルカロイドが高濃度で入っています。
葉や花茎にも少量はあります。
昔から畦や墓地に植えられたのは、モグラやネズミ、虫を近づきにくくするの役割もあったからです。
毒性と人の暮らしが意外なかたちで結びついているの、ちょっと面白いですよね。
なぜ「食べるのはダメ」なのか——消化管での刺激と吸収
彼岸花を口に入れるのは絶対NGです。
リコリンは消化管に触れると、強い吐き気・嘔吐・腹痛・下痢を起こします。
量が多いと脱水(体内の水分・塩分が不足してぐったりする症状)を招き、まれにふらつき・震えなど神経系の症状が出ることもあります。
子ども・高齢者・体の小さいペットは少量でも影響が出やすいので、とくに注意が必要です。
うっかり口に入れた・飲み込んだ時の対処法
絶対に避けてほしいですが、万が一口に入れてしまったときの対処法を書きます。
- すぐ口をすすぐ:清潔な水で数回うがい。
- 無理に吐かせない:食道を再刺激して悪化します。
- 水か牛乳を少量:口の中の刺激を薄める目的です。
- 食べた量・時間・症状をメモし、医療機関へ相談してください。
- 危険サイン(繰り返す嘔吐、強い腹痛、ぐったり、意識がもうろう、血の混じる便や吐物)があれば救急受診を。
症状の目安――軽症から受診が必要なケースまで
- 軽い刺激のみ:口の中のピリピリ、軽い吐き気。多くは数時間で軽快。
- 中等度:嘔吐・下痢・腹痛が持続。脱水のリスクがあるた念のため医療機関に受診して下し。
- 重いケース(まれ):繰り返す嘔吐で水も飲めない/意識の変化/ふるえ。救急へ。
園芸の実用メモ――安全に植える・安全に片づける
家庭で球根の掘り上げをする場合には注意してください。
球根(鱗茎)は毒が濃い部位なので、子どもやペットが触れない場所で保管・処分を心がけてください。
ペットと彼岸花――犬猫も要注意
犬や猫が球根をかじる・掘り返して口にすると、嘔吐・下痢・よだれなどが出ることがあります。
口に入れた可能性があれば受診を。散歩コースの花壇の掘り返し癖がある子は、季節中はリード短め+見守り強化が安心です。
さいごに
彼岸花は、触れただけで危険が及ぶ花ではありません。毒の主役はリコリンで、主に球根に多く、口から入ったときに吐き気や腹痛といった症状を引き起こします。
とにかく口に入れないでください。
これだけで、秋の土手や庭の赤い帯を、必要以上に怖がらずに楽しめます。