青という色は、自然界では比較的珍しい色のひとつです。
海や空のように大きな風景では青が当たり前に見られますが、「動物の世界」で青い体や青い模様を持つ生き物は珍しいのです。

鳥のカワセミが有名ですが、鳥のほかにも青い色の生き物は一体どれほど存在するのでしょうか?
この記事では鳥以外にも存在する“青い動物”の例を紹介しつつ、その色がどのように作られるのか、
さらには「人間にも青い目を持つ人がいる」メカニズムについても解説します。
【注意】この記事には虫の写真があります
1. 鳥以外に見られる青い生き物たち
モルフォチョウ

熱帯雨林に生息する大型のチョウで、翅の表面がペンキで塗ったかのように強い青色をしています。
実際には青い色素を持つわけではなく、翅の微細構造によって特定の波長の光を反射して“青”に見せています(→後述:構造色)
ハチ・トンボなど

画像:ルリモンハナバチ
ミツバチ類では青い光沢をもつものは少ないですが、一部のハチやトンボ、イナゴの仲間にも金属的なブルーや緑がかった青色を持つ種がいます。
ウミウシ

画像:ミゾレウミウシ
海岸の岩場やサンゴ礁に生息しています。青だけでなくピンクや黄色の種もいてとてもカラフルです。
エビ・カニの一部

画像:ヤシガニ
濃紺に近い青色をもつシャコやウミグモなども例外的に存在します。
熱帯魚

画像:ナンヨウハギ
グラデーション鮮やかな青を持つグッピーやネオンテトラ、ベタなど。こちらは多くが色素胞(クロマトフォア)による発色です。
カエル

画像:ヤドクガエル
ニシキハコガメやアマゾンのアオガエルなど。皮膚の色素胞に加え、皮膚表面の構造で輝きを作っているものもいます。
青は哺乳類には少ない
哺乳類で「青い被毛」や「青い皮膚」をもつ動物は極めて稀です。
人間のように皮膚はメラニン色素が主体なので、青に見えるのはほぼ「眼」のみと言えます。
青い色はどう作られるのか?――色素と構造色のちがい
動物の世界で見られる青には、大きく分けて以下の2つがあります。
色素(Pigment)による発色
・フィコビリン(一部のクラゲや海藻)
・プルオリン(一部の魚類)
・結晶質の色素(昆虫の翅の一部)
色素自体が青い波長の光を吸収せずに反射することで青く見えます。
しかし、哺乳類や鳥類のようにメラニン色素主体の生き物では青い色素を蓄積することが構造的に難しく、ほとんど見られません。
構造色(Structural Color)
・ナノ構造による光の干渉
・マイクロプリズム構造
モルフォチョウの翅や、イグアナの鱗などに見られる技術的にも興味深い色の作り方です。
光が微細構造で干渉・回折し、特定の波長(青)だけが強調されて目に届きます。
この原理は、シャボン玉やオパールのような宝石でも同様です。
構造色は、色素に頼らず「物理的に青を作り出す」仕組みなので、紫外線に強く褪色しにくい性質があります。
人間にも青い色がある?――青い瞳のメカニズム
人間の虹彩(いわゆる「瞳の色」)は、メラニン色素の量によって変わります。
黒〜茶褐色:メラニンが多い
緑や青:メラニンが少なく、網目構造での散乱や血管からの赤みとの組み合わせ
つまり、人間の青い瞳は「色素ではなく光の散乱(チンダル現象)」が主な要因です。
構造色と似た原理でメラニンが少ないことで短波長(青)が散乱しやすく、虹彩が青く見えます。
遺伝的には2008年に「青い目の共通祖先」が数千年前にいた可能性が指摘されています。
青色の役割:保護色?求愛色?
動物が青い色を身につける理由は、以下のようにさまざまです。
保護色:海中深くで周囲の青い海水に溶け込む
威嚇・警告色:毒をもつウミウシやカエルなど、捕食者にアピール
求愛・コミュニケーション:モルフォチョウやトリでのディスプレイ
人間の青い目にも、古来は「高貴」「神秘」の象徴とされた例があります。
まとめ
1. 鳥以外の青い生き物も、昆虫、魚類、両生類、無脊椎動物など多岐に渡ります。
2. 青い色の仕組みは主に「色素による発色」と「構造色」に分かれ、動物ごとに使い分けられています。
3. 人間の青い瞳はメラニンの少なさと虹彩の微細構造による光の散乱が原因。遺伝的にも面白い歴史があります。
4. 青色が果たす役割は保護色、警告色、求愛色など動物の生態に応じて多様です。
青は自然界で際立つ、美しく奥深い色です。
次に「青い生き物」を見つけたら、その背後にあるメカニズムや進化のストーリーを思い浮かべてじっくり観察してみてはいかがでしょうか?