
夏の海辺や水族館でふわふわと漂うクラゲ。
その美しさに目を奪われる人も多いでしょう。
しかしこんな疑問を持ったことはありませんか?
「クラゲって栄養あるの?」「あんな水みたいな生き物、なぜウミガメは好んで食べるの?」
今回は、「クラゲの栄養価」と「ウミガメがクラゲを食べる理由」について、動物の食性や海の生態系にも触れながらじっくりと掘り下げていきます。
クラゲの正体:9割が水分の生命体
クラゲの体は、95%が水分です。残りの5%はタンパク質やゼラチンから構成されています。
つまりほとんどが“ぷるぷるの水”のような存在です。
ちなみに人間は年齢にもよりますが、体の60%が水分だと言われています。
クラゲのカロリーを調べてみると、100gあたりわずか21kcal。
これは野菜のレタスやきゅうりと同程度の超低カロリーです。
人間がクラゲを主食にして生きることはまず不可能。
たくさん食べてもエネルギー源としてはほとんど役に立たないのです。
クラゲにはどんな栄養があるのか?
先述のとおりクラゲは低カロリーとはいえ、まったく栄養がないわけではありません。
クラゲの種類や体の部位にもよりますが、以下のような成分が含まれています。
タンパク質:傘の部位にわずかに含まれます。
ゼラチン質:人間にとっては食感として面白い要素。コラーゲンが多いとも言われますが、実際の量はごくわずかです。
人間にとってはちょっとは栄養があるけど、それを目的に食べるには心もとないですね。
人間がクラゲを食べるのは、栄養目的というよりは、あくまで珍味や食感の楽しみのため。
中国料理でクラゲの酢の物がよく登場するのも、歯ごたえを楽しむためです。
それでもクラゲを食べる生き物がいる
栄養価が低いにもかかわらず、海の中にはクラゲを好んで食べる生き物が存在します。その代表格がウミガメです。

なぜ、栄養の少ないクラゲをわざわざ食べるのでしょうか?
ウミガメの動きはとても遅いから
ウミガメの多くは、非常にゆったりとした動きをしています。
その速さは時速2.0キロ〜3.5キロです。
泳ぎのスピードはあっても俊敏な小魚やエビを捕らえるほどの速さも機動力はありません。
そのため、ウミガメにとって「動きの遅いクラゲ」は格好の獲物なのです。
クラゲは自ら逃げる力を持っておらず、海流に乗ってただ漂っているだけ。
ウミガメがゆったり近づいても逃げることはできません。
つまり、「狩りが下手でも確実に捕まえられる」貴重な食料源というわけです。
また、クラゲは集団発生することもあり、一度にたくさん食べられるチャンスもあります。
長く海を旅するウミガメにとって、そうした“大量に食べられるけど手間のかからない食事”は、理にかなっているのです。
ウミガメとクラゲの関係:ときに命を脅かす勘違い
クラゲを好んで食べるウミガメですが、その食性が災いすることもあります。
たとえば、海に漂うビニール袋。
海中でふわふわと漂うビニール袋はまるでクラゲのように見えることがあり、ウミガメはこれを誤って食べてしまうことがあります。
消化されないビニール袋は腸に詰まり、ウミガメを死に至らしめるのです。
まとめ:クラゲは栄養は少ないけれど「効率的な食料」
・クラゲは100gあたり21kcalと、非常に低カロリーで栄養もわずか
・しかし、動きが遅く簡単に捕まえられるため、ウミガメにとっては貴重な食料
・クラゲを好む習性が、ビニール袋誤飲などのリスクにもつながっている
人間の目には「食べごたえがなさそう」と映るクラゲでも、ウミガメのような生き物にとっては、実は「理想的な食材」なのです。