邪魔…

こちらが近づいても逃げないハトに出会ったことはありませんか?
普通の小鳥なら、人の気配を感じてすぐに飛び立つでしょう。
でもハトはなぜか、じっとこちらを見ながらトコトコと歩き続け、人間の方が避ける羽目になることもしばしばです。
「避けろよ!」と思わず口にしてしまいたくなる、あの“譲らないハト”たち。
実はそこには、ハトという生き物ならではの理由があるのです。
この記事ではなぜハトが人間に道を譲らないのか、その生態と行動の背景に迫っていきます。
ハトの代表的な種類と生活圏
まず、私たちの身近にいるハトの多くは「ドバト(カワラバト)」です。
もともとは岩場や崖に生息していたこの鳥は人間が作った街の構造と非常に相性が良く、街中のビルや駅、商店街、公園など、あらゆる場所を住処にしています。
ドバトは都市化に最も成功した野鳥のひとつで、都会の騒音や人混みにも適応しています。
人間がすぐそばにいても気にせず餌を探し、群れで生活し、街を自分たちのテリトリーのように使っているのです。
なぜハトは逃げない?
①「人間=脅威ではない」と学習している
ハトが道を譲らない最大の理由は、「人間は危害を加えない存在」だと学習しているためです。
都会のハトは人間と長く共存しており、誰もハトに向かって本気で突進したり捕まえたりすることはありません。
そのため、ハトにとって人間は捕食者ではなく、むしろ「餌をくれる存在」「気にする必要のない背景」として認識されているのです。
これは「馴化(じゅんか)」と呼ばれる現象で、動物が人間の存在に慣れて警戒心を失うことを指します。
②飛ぶことにはコストがかかる
鳥といえば“飛ぶもの”というイメージですが、実は鳥にとって飛ぶことはとてもエネルギーを消耗する行動です。
ハトのような中型の鳥は特にその傾向が強くできれば飛ばずに済ませたいと考えています。
だからこそ、ギリギリまで歩いて人を避けず、どうしても近づかれたときだけ最小限の飛行でよけるのです。
つまり、ハトにとって「歩いてよける」「少し横にズレる」「最終手段として飛ぶ」といった順番があるのです。
人間にとっての「道」と、ハトにとっての「道」は違う
私たちにとって歩道や公園の通路は、「人間が通るための道」ですが、ハトにとってそれは「餌を探す場所」や「日向ぼっこをする広場」でしかありません。
つまり、そもそも道を「譲るべきもの」として認識していないのです。
これは人間が海に浮かぶイカに「そこは船の通る道だぞ!」と怒っても意味がないのと同じ。
ハトの行動に“道を占拠している”という悪意はないのです。
ハトに道を譲らせるには?
ハトに近づくのは嫌だと感じる方は少なくないでしょう、
では、ハトにすんなり道を譲ってもらうことはできないのでしょうか?
答えは「難しいけれど、できないわけではない」です。
以下のような方法で、ハトの反応を早めることができるかもしれません。
● 少し速足で歩く
ゆっくり近づくと「まだ余裕があるな」と思われます。
軽く早足にすると、警戒心が高まり、早めに飛び立つことがあります。
● 靴音を強めにする
ハトは音や振動にも敏感です。わざと足音を大きくしたり、地面を軽く鳴らすことで「危険かも」と思わせることができます。
● 立ち止まってハトをガン見する
管理人は道端にいる鳥類を観察するのが好きです。
悲しいですが、立ち止まって鳥類をガン見すると逃げられてしまうことが多いです。
本来は歩き回っているはずの人間が止まってこちらを観察されるのは相当なストレスのようです。
特にカラスはよく逃げられます。
ハトにも有効なのでぜひお試しください。
ハトの「譲らない精神」から学べること
不思議なもので、毎日の通勤や通学の中で「避けてくれよ!」と思いながらハトを見ていると、だんだんその“堂々とした態度”に感心してしまうこともあります。
他人の目を気にせず、マイペースに生きるハト。その態度は時に人間にとって“見習いたい生き方”に見えることもあるかもしれません。
まとめ
- ハトが人間に道を譲らないのは「人間は危険ではない」と学んでいるから
- 飛ぶのはエネルギーを使うため、ギリギリまで歩いて回避しようとする
- ハトにとって道は“自分たちの活動エリア”でしかない
道を譲らないハトに出会ったら、「なぜ譲らないんだ」と怒るのではなく、「この子は飛びたくないんだな」と少しだけ理解を持って接してみてください。
きっとその目線の先に、ハトという生き物の“したたかで面白い生態”が見えてくるはずです。